第二種電気工事士の筆記試験は、電卓の持ち込みが不可能です。なので、全て手計算をする必要がありますが、ほとんどの計算問題が暗算でできたり、切りの良い数値になっています。これは、インピーダンスの計算も同様です。
インピーダンスとは、とても簡単にいうと交流回路における抵抗とコイル、コンデンサの合成抵抗です。具体的には、
この回路は、抵抗(四角いやつ)とコイル(なんかモコモコしたやつ)のインピーダンスを求めて、回路の電流を計算し、電圧を求める問題のやつです。ちなみに、インピーダンスは抵抗と同じように計算で使えますので、これさえ求めてしまえばオームの法則で計算できます。
では、インピーダンスZの求め方ですが、次の通りです。
Rは抵抗で、Xはコイルです。本来Xはリアクタンスと言って、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスを合成したものになりますが、第二種電気工事士では出てこないので割愛します。
この式から、今回のインピーダンスは
となります。インピーダンス10Ωと電圧100Vを下の図に当てはめて電流を求めると、
電流=100V÷10Ω=10A
が求まり、抵抗の端子間電圧もオームの法則から、
電圧=8Ω×10A=80V
が求まります。
ここで平方根の中の2乗の計算や、そもそも平方根の計算が面倒臭いと思っている方に朗報です。このインピーダンスを使う問題、実を言うとインピーダンスのパターンがほぼ2つしかありません。なぜかというと、電卓が持ち込めないからです。要は、電卓がなくても計算が簡単にできる親切設計なのです!
その内の1パターンが、先ほどの「6」と「8」の組み合わせです。これはインピーダンスが「10」になるパターンです。
もうひとパターンが、「12」と「16」の組み合わせです。これはインピーダンスが「20」になるパターンです。
これ以外の組み合わせは、今までの過去問の中にはありません。おそらく、切りの良い組み合わせがないのではないかと思います。
この2パターンさえ押さえていれば、この問題は単純なオームの法則による計算のみになりますので、かなり美味しい問題になります。なので、毛嫌いしないでくださいね。