デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

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スター結線の問題:2019年度下期問5

前回(三相回路:デルタ結線の計算 - デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室)、前々回(三相回路:スター結線の計算 - デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室)と三相回路の電圧と電流について解説をしましたが、今回は具体的な問題の解き方を解説します。

下の図は2019年度下期の問5です。

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2019年度下期問5

電流Iは何Aになるか?という問題です。問題内容としてはとてもオーソドックスなものですが、線電流と相電流は同じであるが、線間電圧と相電圧は同じでないということを覚えておかないと、ミスリードの選択肢を選んでしまいますので、気を付けてください。

では、解説に入ります。

 この問題でわかっているのは、

の2点です。インピーダンスが出ているので、計算の手順が少なくてすみます。

まず、線電流と相電流の関係を思い出してください。

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スター結線における線電流と相電流の関係

同じ値でしたね。次に、線間電圧と相電圧の関係を思い出してください。

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スター結線における線間電圧と相電圧の関係

このように、線間電圧は相電圧の√3倍(1.73倍)でした。今回は、線間電圧から相電圧を求めその値とインピーダンスを使って相電流を求めるという手順になります。

では、相電圧を求めます。

線間電圧210V÷1.73≒121.38728…

後の計算が面倒なので、121Vにします。次に、インピーダンスの10Ωを使って電流を計算しますが、オームの法則と全く同じです。抵抗RがインピーダンスZに変わっただけです。なので、

I=121÷10=12.1

となり、正解は12.1Aとなります。

スリードの選択肢としては、線間電圧をそのままインピーダンスで割った21Aに近い20.0Aがあります。第二種電気工事士の計算問題は大体の値で良いという教えが、ここでは仇となります。

210÷1.73の計算は面倒ですが、ここだけはしっかりと計算をしてください。なお、電気ペンギンはこういう場合は小数点以下までは計算しません。時短です。

今回はスター結線における計算でしたが、次回はデルタ結線における計算を探して解説したいと思います。