デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

第二種電気工事士試験について、少しでも役に立つ情報を発信します。

ところで、電気工作物ってなんだろう?

電気工事士試験でよく出てくる言葉として、電気工作物があります。第二種電気工事士試験では、自家用電気工作物一般用電気工作物の2種類が出てきます。ご存知の通りですが、第二種電気工事士はこの内の一般用電気工作物のみ工事ができます。

ちなみに、第一種電気工事士であれば、一般用も自家用も工事することができます。

では、今回はこの電気工作物について少し解説をしたいと思います。

まず、電気工作物の種類を説明する前に、工作物の定義です。

工作物とは、一言で言うと人によって加工されたものです。ダムや建物などは工作物ということですね。なお、水力発電などでよく利用されると思われる天然の川や湖をそのまま使ったものは工作物ではありませんので、ご注意ください。

では、電気工作物について説明します。

電気工作物は、大きく分けると次の2種類になります。

  • 一般用電気工作物
  • 事業用電気工作物

…自家用はどこいった?と思われた方もおられると思います。自家用電気工作物は、簡単に言うと発電送電しない事業用電気工作物のことです。もっと言うと、一般用電気工作物でないものが事業用電気工作物で、その中で発電や送電をしない電気工作物が自家用電気工作物ということです。

また、電気工作物から除かれる電気っぽい工作物もあります。

  • 鉄道車両
  • 船舶安全法が適用される船舶
  • 海上自衛隊の船舶
  • 航空機に設置されるもの
  • 30V未満の電気的設備で、30V以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの

これらのものは、電気工作物から除かれます。第二種電気工事士試験には出てきませんが、ご参考までに。

次回以降、一般用電気工作物や自家用電気工作物について少し解説をしたいと思います。

意外と少ない?!漏電遮断機の省略条件

漏電したときに、我々を感電から守ってくれる漏電遮断機ですが、ある条件のもとでは省略することができます。今回は、第二種電気工事士筆記試験でよく出題される省略条件を説明します。

同様の内容を、以下の動画にもまとめていますので、よかったら参考にして下さい。

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意外と出題される?!電流計と電圧計、電力計の接続方法

第二種電気工事士筆記試験には、結構な頻度で電流計と電圧計、電力計の接続方法を当問題が出題されています。パターンとしては一つしか今のところ確認していませんが、意外とこの問題に引っかかる方も多いように聞いています。

今回は、この3つの計測機器の接続方法について、理論に少しだけ則って解説をしたいと思います。なお、同様の内容の動画をUPしているので、よかったらご覧ください

youtu.be

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安全なものを使おう!電気用品安全法

第二種電気工事士筆記試験では、電気用品に関する法律である、電気用品安全法が出題されます。この法律を知っていないと、使ってはいけない電気用品を建物などに使ってしまう恐れがあり、電気による災害を起こしてしまいます。

第二種電気工事士筆記試験では、あまり範囲は広くありませんが重要な法律なのは変わりないので、今回はこの法律の出題範囲での解説というか、試験対策を紹介します。

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電気工事士法について その2

だいぶん前の記事で、電気工事士法について触れていましたが、今回はそれの続きです。どんだけ開いてんだ…。

denkipenguin.hateblo.jp

 

前回は免状の種類と免状の携帯義務でしたが、今回は工事や使用機器についてです。

まず、電気工事作業に従事する場合は、必ず電気設備に関する技術基準を定める省令(いわゆる電気設備技術基準)に適合するように作業しなければなりません。電気による災害(火災など)を防ぐためには、当然のことですよね。電気工事士免許は、この電気設備技術基準をちゃんと理解し、技術についても定められた水準を超えているという証拠にもなります。だから、電気工事士試験には筆記試験と実技試験があるわけです…多分。

次に、使用する機器ですが、筆記試験では電気用品の事です。コンセントやスイッチといったやつのことです。これらのものは、すべて電気用品安全法適合した電気用品を使わなければなりません。自作したものや、適当にあるものなどを使ってはいけません、危険です。然るべき検査機関が検査したものでなければ、使ってはいけません。

電気用品安全法に適合した電気用品には、必ずPSEマークがついています。このPSEマークは2種類ありますが、それについてはまた後日…。

今回紹介した内容は、どれも電気による災害を起こさせないためのものです。電気工事士免許を取得した後も、しっかり覚えておいてくださいね。

 

絶縁抵抗値は受電点を見に行く

第二種電気工事士筆記試験では、絶縁抵抗値を答えさせる問題が数パターンあります。

具体的には、一般問題(問1〜30)で出題されるもの(電路の対地電圧と絶縁抵抗値、絶縁抵抗の測定方法)と、配線図問題(問31〜50)で出題されるもの(電路の絶縁抵抗値)があります。今回は、絶縁抵抗値と配線図問題で出題されるパターンの解答方法を紹介します。

まず、絶縁抵抗値ですが、以下の3通りがあります。

対地電圧150V以下0.1MΩ以上

対地電圧300V以下(150Vを超えて)0.2MΩ以上

対地電圧300Vを超える0.4MΩ以上

となっています。見て貰えばわかると思いますが、対地電圧150Vの0.1MΩを起点にしてそれぞれの絶縁抵抗値を見てみると以下の法則があることがわかります。

対地電圧300V以下→150V以下の絶縁抵抗値0.1MΩ×2=0.2MΩ

対地電圧300Vを超える→300V以下の絶縁抵抗値0.2MΩ×2=0.4MΩ

表にするとよくわかるのですが、前の値の2倍なんです。このことを覚えていれば、いちいち全てを覚える必要はありませんね。

では、配線図問題で出題されるパターンです。基本的に、配線図問題で出題される場合は、次の部の部分で判断します。

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絶縁抵抗値0.1MΩ確定

受電点の部分を見れば、一目瞭然なのです。上の図面の電路は、「単相3線式100/200V(1φ3W)」です。対地電圧は150Vとなり、絶縁抵抗値は0.1MΩ以上となります。

次は、絶縁抵抗値が0.2MΩのパターンです。

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絶縁抵抗値0.2MΩ確定

受電点をみるとわかりますが、「三相3線式200V(3φ3W)」の電路です。この場合、対地電圧は150Vを超えているので、絶縁抵抗値は0.2MΩ以上となります。配線図問題での出題は、このパターンが非常に多いので、必ず受電点とその電圧確認するようにしましょう。

絶縁抵抗値に関する問題ついては、一見すると覚える量が多そうですが、パターンがある程度決まっているので、あまり覚える必要はないと思います。その割には、必ずどれかのパターンが出題されるので、結構美味しい部分になります。

皆さんなりの覚え方や解き方を身につけて、確実に点を取れるようにしましょう。その一助になれば幸いです。