デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

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発熱量の計算

熱量は電力量と同じであると、以前

電力と電力量と熱量の密接な関係 - デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

で説明しました。今回は令和元年度(2019年度)下期問3を使って、熱量の計算を解説したいと思います。

 問題文は次の通りです。

 

「消費電力が500Wの電熱器を、1時間30分使用したときの発熱量[kJ]は」

 

発熱量は熱量のことですので、次の公式が適用されます。

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熱量の公式

R×I2乗の部分は電力と全く同じですので、熱量の計算は電力量の公式が適用されます。

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電力量の公式

今回の問題は、電力は500Wと分かっているので、公式中のP(電力)t(時間)の部分を使います。ちなみに、時間は「秒」を使った方がそのまま単位ジュール(J)にできるので、1時間30分を秒に変換します。この時、今回は1時間30分なので、簡単に1.5時間とできますが、もし、1時間40分とか中途半端な時間だった場合は、一度それを「分」に変換し、その変換後の数値に60をかければ「秒」にできます

1時間は60分なので、例えば1時間40分だったら100分、100分に60をかけたら6000秒となります。

で、今回の問題の計算式は、

500W×1.5時間×3600=2700000J

となります。なお、解答の単位は[kJ(キロジュール)]なので、後ろから3つ0を取ります。よって、答えは

2700kJ

となります。

この計算が面倒だと感じる方は、

500W×90分×60=2700000J

でも大丈夫です。この場合、5×6=30に9をかけて270を出し、これに0を4つ付ければ2700000を出せます。数学の法則で、かけ算とたし算は順番を入れ替えても結果は同じである、というものを利用した計算方法です。第二種電気工事士の筆記試験では、こういったやり方も有効ですので、覚えておいても損はないと思います。

この問題は、極端なことを言ってしまえば、問題文中の数値をとりあえず全部かけたら答えが出ました、でもよいかと思います。ただ、時間の変換を忘れないでください。