デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

第二種電気工事士試験について、少しでも役に立つ情報を発信します。

電流減少係数を使った問題は、大体で良い

電流減少係数を使った許容電流値を求める問題は、ほぼ毎回、問7か問8で出題されています。2018年度下期の問8は、

 

「低圧屋内配線工事に使用する600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(銅導体)、導体の直径2.0㎜、3心の許容電流[A]は。ただし、周囲温度は30℃以下、電流減少係数は0.7とする。」

です。この問題で必要な情報は、直径2.0㎜などの「直径や断面積」、電流減少係数は0.7の「電流減少係数」の2つです。

 まず、必要になるのは直径や断面積に対応した、銅電線自体の許容電流です。よく出題されるものは、以下の表の通りです。

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よく出る許容電流値

denkipenguin.hateblo.jp

上記の記事でも紹介した、あの表です。詳しいことは、リンク先を参照して下さい。

本題に戻りますが、今回は直径2.0㎜なので、許容電流は35Aになります。この35Aに電流減少係数である0.7をかけます。

35×0.7=24.5A

24.5Aが答えですが、小数点以下は切り捨てです。よって、解答は24Aとなります。なぜかと言うと、許容電流だからです。

許容電流とは、これ以上流してはいけませんよ、と言う値で、25Aだと許容電流値を超えてしまうことになります。また、導線などの導体は周囲や自身の温度が上がると抵抗値が上昇します。万が一のことを想定して、流せる電流を少し低めに設定していると考えて下さい。

電流減少係数は問題文中でほぼ必ず用意されていますので、覚える必要はないかと思います。ただし、過去には電流減少係数で正しい(または誤っている)ものを選べ、と言う問題も存在しています。今後この手の問題が出てこないわけではないと思うので、一応下の三つは覚えておいて下さい。

3本以下:0.7

4本  :0.63

5〜6本 :0.56

第二種電気工事士では、ほぼこの3つしか出ません。さらに、この3つの係数に共通するのが、小数点以下が7の倍数である、と言うことです。なので、電流減少係数の正しいまたは誤っているものを選べ問題では、この法則に従って選べば大丈夫です。

また、電流減少係数問題の計算を少し短縮する方法があります。

0.7の時は、そのまま計算するしかありませんが、0.63は0.6に置き換えて計算し、計算結果に対して少しだけ大きな値の選択肢を、0.56の時は許容電流を半分にし、選択肢の中から少し大きめの選択肢を選べば良いです。

第二種電気工事士の問題について、微妙な値(非常に近い値)が選択肢として用意されていることはまずありませんので、このやり方でも十分に通用します。ちなみに、このやり方は一部の計算問題でも通用します。

計算問題についても、第二種電気工事士では計算しやすい親切な設定になっていますので、しっかりとやり方を覚えて下さい。