デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室

第二種電気工事士試験について、少しでも役に立つ情報を発信します。

オームの法則を使った計算(平成28年度下期)

今回は、オームの法則の計算を主にした計算問題を一つ解説します。実際には、ほとんどオームの法則を使わずに解けますので、その方法をしっかり覚えて下さい。

下の図は平成28年度下期問1です。この回路において、8Ωの抵抗(中央)に直列接続されている電流計の指示値(目盛りの値)が1Aだった時、電圧計(○で囲まれたVのこと)の指示値(値)はいくらか?と言う問題です。

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平成28年度下期問1回路図

 

電源電圧もわからないのに、どうやって計算するんだ?と思うかも知れませんが、ポイントは中央に流れる電流が1Aだとわかっていることです。この値を元に、下図で○に囲まれた部分の電圧を求めます。

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中央の電圧=3回線の電圧

この部分は全て並列接続なので、3つに分かれている回路全てに同じだけの電圧がかかります

中央に流れている電流が1Aで、抵抗が8Ωなので、ここの電圧はオームの法則より、

V=R×I

   =8×1

   =8V

となります。この電圧を元に、今度は下の図の○で囲んだ2ヶ所の電流を求めます。

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全ての経路に流れる電流を求める

この時気を付けて欲しいのは、上のところが4Ωと4Ωの直列接続であることです。合成抵抗を先に計算してから電流を求めることになりますが、直列接続なので、普通の足し算です。なので、

4Ω+4Ω=8Ω

となり、中央の抵抗と同じ値になります。と言うことは、流れる電流も同じになるので、こはこれ以上計算する必要はなく1Aの電流が流れることがわかります。

次に下側ですが、ここは8Ωの2分の1である4Ωが1つだけ接続されています。抵抗が2分の1になれば、電流は2倍になります。このことから、ここには1A(中央の8Ωに流れる電流のこと)の2倍である、2Aが流れることがわかります。

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3つの電流がわかったので、回路全体の電流を計算する

以上のことから、上の図の○で囲まれた3ヶ所の電流が分かりましたので、これらを合計した値を求めます。これが、この回路全体の電流になります。今回は、

I=1A+1A+2A

 =4A

になります。このことから、電圧計が接続されている4Ωに加わる電圧は、オームの法則より、

V=R×I

   =4×4

   =16V

となります。

 前回(https://denkipenguin.hateblo.jp/entry/2020/04/29/234258)同様、1つずつ丁寧に見ていけば簡単になります。しかも、難しい計算はほとんどありません。しっかりやり方を身につけ、確実な得点源にしましょう!