オームの法則と合成抵抗の公式を使って、実際に出題された問題を解いてみます。今回は、平成26年度下期の問2を例に解説していきます。一見すると複雑そうな回路に見えますが、一つずつ手順を追うと、とても簡単な計算で解けますので、安心して下さい。
この回路において、電流Iはいくらになるか?という問題です。結論から言うと、合成抵抗を求めてオームの法則で求めると、答えは4Aになります。
ではなぜそうなるのか、一つずつ手順を追って説明していきます。
まず、最初に一番右端の4Ωとそれと並列に接続されている4Ωの合成抵抗を求めます。
ここは、「和分の積」を使っても良いですが、並列接続の合成抵抗について、同じ値の抵抗が2つ並列に接続されていた場合は、どちらかの値の半分が合成抵抗になる、と言う法則を思い出して下さい。そうした場合、上の図の○で囲まれている部分の合成抵抗は4Ωの半分である2Ωになります。
そうすると、この回路は下の図のようになります。
次に、合成抵抗の2Ωと最初からあった2Ωの合成抵抗です。下の図で○で囲まれている部分です。
見ての通り、直列接続なので2Ω+2Ω=4Ωが合成抵抗になり、下の図のようになります。
だんだんシンプルになってきました。次に、今求めた合成抵抗(4Ω)と従来からある4Ωで合成抵抗を求めます。下の図で○で囲んでいるところです。
…さっきもやった同じ値の並列接続です。なので、ここの合成抵抗は2Ωとなります。すると、下の図のようになります。
見た通り、2Ωと2Ωの直列接続となるので、合成抵抗は4Ωとなります。このことから、この問題の回路は最終的に次の図のようになります。
電源電圧16V、抵抗4Ωの回路となりました。この2つの値から、オームの法則より、
I=V/R
=16/4
=4A
となります。
最終的にはオームの法則を使った計算をしましたが、並列接続の公式である「和分の積」を全く使わなくても解くことが可能です。過去10年程度の第二種電気工事士の問題においても、この傾向がとても強く出ています(使い回しや類似問題)ので、しっかりと得点源にしましょう!