第二種電気工事士の過去問を見ていると、一定の頻度で次の問題が出てきます。
「A,B2本の同材質の銅線がある。Aは直径1.6㎜、長さ20m、Bは直径3.2㎜、長さ40mである。Aの抵抗はBの抵抗の何倍か」
これは、平成29年度上期の問3です。この問題の答えは2倍です。では、どうやってこの答えを導いたか、順を追って説明します。
まず、抵抗関係の問題攻略法1(合成抵抗を除く) - デンキペンギンの第二種電気工事士対策教室の回で紹介した公式、
を思い出して下さい。これを、今回の問題用に変更したものが次の二つです。なお、Aの抵抗をRA、Bの抵抗をRBとしています。
問題文から、直径と長さについては、Aの2倍がBの値になっています。よって、RB銅線の長さは2LA、直径は2DAとなります。なお、式を見てもらったらわかると思いますが、DAは2乗なので、RBは次のようになります。
この式から、次の図のようにDAの前にある4とLAの前にある2をピックアップし、4分の2を取り出します。4分の2はご存知の通り2分の1です。
よって、Bの抵抗は、Aの抵抗の2分の1であることがわかりました。ただし、この問題は、AはBの何倍か?なので、答えは2分の1の逆数である2です。
この問題は、一見すると公式を使っていちいち計算しなければいけないように見えますが、このように計算すれば、とても簡単に解けます。ただし、最後に出てきた数値を逆数(上下引っくり返す)にすることを忘れないようにしなければなりません。数値が変わっても、やることは同じなので安心して下さい。
抵抗の公式を一つ覚えていれば、抵抗関係の問題で解ける幅がとても広がりますので、
は覚えて下さい。